第176章

ジェイムズ

「お約束します、アルファ。クラブの問題は完全に片付けました」エイデンの油断ならない声が私の神経を逆なでする。なぜ私がこの会議に参加しているのかさえ分からなかった。ただ分かっていたのは、いとこに対してこの男が吐き出す嘘を聞き流すには一杯必要だということだ。バーに寄りかかっている手下に合図を送り、ウイスキーを持ってくるよう指示する。とっくに五時を過ぎていたし、トラヴィスがこの戯言を信じているわけでもないのに、彼のパックメンバーは話し続けていた。エイデンは肘をテーブルについて身を乗り出した。「私の監督不行き届きでしたが、もう解決しています」

トラヴィスの鋭い視線がエイデンの情...