62話

「パーマーさん、こちらへ」ジャクソンが私の腕を軽く触れた。

そのときようやく我に返った。私は彼について建物の一つへ入っていった。

ナイト・パックのセキュリティ・システムは厳格だった。パックに所属していない者は、例外なく身元確認を受けなければ入ることができなかった。

私たちはそれぞれ顔認証を受け、セキュリティを通過すると、タラが歩み寄ってきた。

彼女はジャクソンに挨拶し、その後ろに続く私を見た。

「アルファ・スターリング、タヤと少し話してもいいでしょうか?」

「パーマーさんはあなたの従業員です。なぜ私が気にするでしょうか?」

タラの口調は丁寧に聞こえたが、皮肉の響きがあった。そして...