503話

ビデオを完全に組み立て、フォーマットを変換した後、プレストンはスペースバーを押した。

黒い画面はスペースバーが押されると、ゆっくりと明るい色を映し出し始めた…

ビデオの背景は海辺で、漁村に囲まれ、美しく穏やかな環境だった。

周囲の環境をスキャンした後、カメラはビーチに焦点を合わせ、小さな貝殻を拾っている小さな人影にゆっくりとズームインした。

「ロザリー、海に近づきすぎないように気をつけて…」

突然、優しく上品な声が内側から聞こえ、それに続いてロザリーが顔を向けた。

グレースに似た顔が映し出された。

「心配しないで、ママ…」

ママ?

タヤは撮影していた人物が実は彼女とロザリーの母親だったことに気...