360話

「グレースはあなたの変な叔父さんが好きなの?」

「はい」

躊躇なく、グレースは力強くうなずいた。

カサレは手を上げ、グレースの鼻に触れた。

「とても良い」

カサレはグレースを下ろし、彼女に言った。「グレース、あなたとボディガードは先に行って、医者をここに連れてきなさい」

グレースは父親が医者を呼ぶように言うのを聞いて、短い足で嬉しそうに急いで走り去った。

エイモンはグレースの走り去る背中を見つめ、心の緊張がゆっくりとほぐれていった。

カサレは彼に近づき、高慢に彼の希望を打ち砕いた。

「私がわざとグレースを遠ざけたのは、彼女に流血を見せたくなかったからだと思ったのか?」

カサ...