358話

「アモン、久しぶりだな」

菊の花束を手に、カサレは護衛の一団を率いて、階段でアモンに向かってゆっくりと歩いていた。

墓の前に立っていたアモンは振り向きもせず、ただ手に持っていた写真を心臓に近いポケットにしまった。

カサレは長年アモンと付き合ってきて、アモンが自分を軽蔑していることを知っていたので、アモンが自分に注意を払うかどうかは気にしなかった。

彼はまっすぐアモンのところまで歩いていき、手に持っていた菊の花を墓石の前に置き、墓石の写真を見上げた。

「パルマーさん?」

長年ロザリーの墓を見つけることができなかったのはこのためだった。「死んでいた」のはロザリーではなく、パルマーさんだ...