306話

子犬の優しい身振りのおかげで、絶望の中にいたタヤは心に少しの温もりを感じた。

彼女は子犬の前で意地の悪い一面を見せたくなかったので、心の痛みを抑えて地面から立ち上がり、グレースの頭を撫でた。

「もう泣かないわ。部屋に戻りましょう」

グレースは甘い声で「はい」と答え、すぐに小さな手を差し出して、タヤを部屋へと導いた。

部屋に戻ってしばらくすると、タヤは下腹部に軽い痛みを感じた。それは泣きすぎたせいか、感情を抑えすぎたせいか、赤ちゃんによるものではなく、生理痛のような痛みだった…

考え込んでいるうちに、体から流れ出る熱い液体に彼女は完全に茫然としてしまった…

この間、ジョージは彼女の目の薬を...