49話

数分後に車が私の横を高速で通り過ぎた時、私は自分が息を止めていたことにも気づかずに吐き出し、スピードを落とした。アレックスになんとか辿り着いて、今いる場所から脱出することばかり考えていた。王国を出た気がしないのは何故だろう。襲撃者たちは王国から遠く離れた場所に連れて行かないほど愚かなのだろうか?私は首を振る。いや、そんなに愚かではないはずだ。

私は精神に優しい押し付けを感じ始め、誰かが通信しようとしているリンクを開く。接続は雑音だらけだ。トランシーバーを使っていて、相手の声は聞こえるけれど何を言っているのか理解できないような感じだ。薬物がまだ完全に体から抜けていないようだ。リンクはアレックス...