14話

「私ってほんとバカね。リカンを使ってあなたを感じ取ろうとも思わなかった」

「だから君は堅すぎるって言うんだ。基本的な本能を忘れるほど頭がいっぱいになる。互いを感じ取れることは、私たち獣人全員が持つ贈り物の一つだ。それは技術が発明される遥か前から私たちが使えた道具なんだよ」

私たちはもう少し、彼が捕まえた放浪者を尋問する前に片付けるべき仕事について話し合った。もう一人の件は明日の朝食前に私が対応する。交配の舞踏会の前にできるだけ多くのことを片付けておく必要がある。舞踏会や伴侶の誕生日を台無しにするような問題が起きてほしくないからだ。

翌朝、いつもより早く起きて地下牢へと向かい、新しい放浪者...