第373話

息が止まった。アサが誰なのか、なぜアンセルがこんなに普段と違う反応をしているのかわからないけれど、オフィルという名前を聞いただけで、スペンサーを命がけで守ると決意した。一生喪に服する覚悟をしていた息子が生きているだけでなく、二人の素晴らしい人に育てられていたと知った今、誰にも彼を奪わせるつもりはない。

ネフィリムを率い、神の創造物を破壊しようとするオフィルにさえも。

スペンサーを怖がらせたくなくて、私は言った。「夕食を済ませてから後で話しましょう」目は危険を知らない息子に釘付けだ。他の人たちも同意してくれたようだ。アンセルには「彼の前でそんな話し方をすべきじゃない」と言った。

アンセルは...