第15話

アレコスがキスを終えると、私はステファンに向き直る。彼は体を硬直させ、右頬を私に向ける。キスが苦手なようだ。それは構わない。誰もがキスを好むわけではないのだから。彼の頬に軽くキスをした後、レイエスは私をオフィスの外へ、エレベーターへと導く。彼は社員カードを使ってエレベーターを呼ぶ。彼の左手は私の腰に回され、手のひらが私のお尻に触れ、軽く握っている。

「誰かに見られるわよ」と私は小声で言う。

「いいだろう。そうすれば、お前に近づくなと分かるからな」

エレベーターが私たちの前に止まると、中に入る。何の警告もなく、彼は私を回転させ、隅へと押しやり、自分の体で私を閉じ込める。私の背中は彼に向いて...