第110話

彼は身を乗り出し、私の鼻先に優しくキスしながら、両手でクリームを私の背中全体に塗り広げる。私の心臓が早鐘を打ち始める。5日前の初めてのキスから、彼はチャンスがあるたびにキスをしてくる。最初から本当にキスが嫌いだったのか疑わしくなる。たぶん、彼はただ私とキスしたくなかっただけで、エミリーに唇を触れられた最後の相手でいてほしかったのかもしれない。

彼が私と一緒にいるのは、エミリーについて知ったことだけが理由なのか、それとも本当に私のことを気にかけているのか、まだ時々疑問に思う。

彼が私の背中と脚に日焼け止めを塗り終えると、お尻を軽く叩いた。「反対を向いて」

私はリクライニングチェアを調整して...