第109話

私のタザコルタでの滞在は短かったが、自分を見つけるのに役立った。アレコスは私たちが大西洋で数日過ごすと言ったかもしれないが、荷造りを始めた時、私はもうラ・パルマに戻ることはないと分かっていた。町の皆に「さよなら」を言った後、私と私のメイトたちはヨットに乗って出発した。父の姿も、彼がレイエスとリンに拷問されていた形跡もなかった。おそらくリンはヨットを掃除して、アメリカに戻る前に父の遺体を処分したのだろう。父が私を殺そうとしたあの日以来、彼らの姿を見ていない。

私たちが航海を始めてから数日が経ち、船酔いがひどく、ほとんどの時間をベッドで過ごしていた。今日はようやく気分が良くなり、デッキで横になっ...