第6話

アイラ

新しい部屋のベッドに座り、何をしていいのかわからず、バッグを握りしめている。辺りを見回すけれど、どうすればいいのか見当もつかない。

なぜ私はここにいるの?

もし他の何かに触れたら、また誰かがクローゼットから飛び出してきて私を平手打ちするのかしら?

ベータのセスはここが私の部屋で、好きにしていいと断言してくれたけど、まだ躊躇してしまう。これは全部大きな間違いなんじゃないかという考えが頭から離れない。

ウォーチェスターシャー夫人とかいう名前の人は、私はメイドの部屋に行くべきだと思うと言っていたし、ベータのセスはそれは違うと言ったけれど、もうすぐ誰かが来て私をそこへ連れて行くんじゃないかと...