第556話

コール

私は咳き込みながら目を覚ました。煙が肺に入り込み、貴重な数秒間、感覚が麻痺する。すぐにその時間的余裕がないことに気づく。耳に聞こえる声は不明瞭で、驚きと痛みの叫び声が混じっている。仲間や友人を呼ぶ声が聞こえる。

私は死後の世界にいるわけではない。それはすぐにわかった。痛みが体中を波のように駆け巡り、鼓動に合わせて脈打つ。体が命を取り戻そうと必死に抵抗し、胸の傷が目に見えて癒えていく。

でも私の手は凍えるように冷たい。私は絡み合った指をぎゅっと握り、現実に引き戻される。必死に体を動かし、ミスティを抱きしめるように体を丸める。

「ダメだ」私は彼女の髪に向かって息を吐く。「戻って.....