第517話

私は眩しく暖かな日差しと潮の香りで目を覚ます。白いシーツを手探りし、何度か瞬きして視界を晴らしていると、見知らぬ寝室が徐々に鮮明になってくる。温かみのある白い壁。淡い木目の仕上げと、柔らかなブラウンとクリーム色の洗練された家具。白いカーテンがいくつかの開いた窓から入る潮風に揺れ、ガラスのドアはデッキに通じていて、そこからは...海の景色が見える。

私はこれまで海を見たことがなかった。横たわっている場所から、白い砂浜に打ち寄せる波の音が聞こえる。聞き覚えのない音楽が漂ってきて、男性と女性の二つの声も一緒に運ばれてくる。

「ミスティ、お前の両親はずっと心配しているんだぞ」

「心配することなん...