第505話

私は狼に守られた玉座の間に案内されると思っていた。金の装飾、ボールガウン、貴重な宝石で作られた王冠を期待していた。彼らの力を目の当たりにして、自分がちっぽけに感じるだろうと思っていた。

城の奥深くにある、とてもシンプルで開放的な応接室の入り口で私を出迎えた女性を予想してはいなかった。黄色い壁紙が彼女の顔を柔らかな光で照らしていた。

彼女は息を呑み、私に向かって満面の笑みを浮かべる。濃紺の瞳が...喜びで、あるいは完全な安堵感で大きく見開かれる。どちらなのかはわからない。でも彼女は私を見て嬉しそうだ。私のことを知りもしないのに。

「女の子たちが赤毛だって言ってたけど、これは...うわぁ、あ...