第491話

「気持ちいいだろ?」フレイヤは、激しく鳴き続ける羊に眉をひそめながら言った。もう毛を刈られてほぼ裸になった羊は、群れに合流するために駆け出していく。彼女は額の汗を拭い、まぶしい日差しに目を細めながら、大量の生の羊毛を手に取り、私が水の中でしゃがんでいる小川のほうへ運んでくる。私は別の羊毛の束をやわらかな白色になるまですすいでいた。「次はどれ?」

「あれよ」私は笑いながら、巨大な灰色と黒の、螺旋状の角を持つ雄羊の方へ顎をしゃくった。まるで私たち二人を殺したいとしか思っていないような顔をしている。彼は蹄を踏み鳴らし、強調するように頭を下げ、鼻を鳴らして、ふわふわした頭を振る。

「あのくそ野郎」...