第490話

ライアン

私はアヴィヴァを寝室に残して、すぐに外へ出た。冷たい雨の朝の空気が肌を撫でる。デッキの手すりを掴み、頭を垂れて、激しく鼓動する心臓を落ち着けようとする。こんな状態で村に行くことはできない。脚の間の疼きで真っ直ぐ歩くのもやっとなのに、かといって家に戻れば、さっきまで抑えていた欲望が爆発して、彼女のドレスを引き裂いてベッドに押し倒してしまうだろう。

今の俺に残されているのは、かろうじての自制心だけだ。

雨で濡れた髪に指を通す。濃い霧が谷を包み込み、村を見渡しても建物の輪郭と傾斜した屋根だけが見える。今朝やるべきことのリストは長いが、今の状態では不可能に近い。そして、それは間違いなく俺...