第413話

壁を伝って水が冷たい流れとなって降り注ぐ。頭が痛み、空気中には血の匂いが濃厚に漂っている。この五分間で四度目の瞬きをしようと目を開こうとする。

頭蓋骨が割れているかもしれない。ズキズキする両こめかみをさすろうとするが、手を動かした途端に顔をしかめる。

指の骨が砕けている。

「シド?」暗闇に向かって私はかすれた声で呼びかける。

「まだ生きてるよ」彼は朦朧とした声で返事をする。

目を細く開ける。かすかな光が視界に入る。それだけで脳に鋭い痛みが走る。「どこにいると思う?」

「百パーセント地下だね」彼は私の側のどこかで簡潔に答える。

彼がどれだけ離れているのかわからず、手を伸ばそうとする...