第403話

ケナ

私はエプロンの紐を調整して、震える手を落ち着かせる。父の執務室の外の廊下は、いつになく静かで人気がない。通常なら、戦士たちや上位のオオカミたちが行き来したり、壁に沿ったベンチで父との面会を待っていたりするはずだ。指揮官たちが扉の外で低い声で話し合い、待機している他の者たちには視線すら向けないはずなのに。

そして私の背後の窓の向こうには、ムーンライズの街が通常なら賑やかで、輝き、活気に満ちているはずなのに、今はただ灰色で静まり返っている。

私たちの大切な、神聖な街の傷は、母、女王が不在の毎秒ごとに悪化している。

私は唇を噛み、かかとで揺れる。

「真実を話す機会があったのに、あなた...