第363話

ラヤット

この夜泊まっている趣のある宿の酒場のバーテンダーが、ストレートのウイスキーをもう一杯注いでくれる。感謝の意を込めて頷くと、背骨に沿って小さな痛みが走り、ネズミのように動き回る。娘が生まれたあの地獄の穴からリフトホールドまで戻るのに三回のジャンプが必要だった。最後には立っているのがやっとだったが、徒歩での二日間の旅を終え、ようやく見慣れたパックのいる馴染みの村に着き、ローグランドに戻ってきた。

あと一日旅を続ければ、ヴェイルド・ヴァレーまで十分近づけるだろう。そうすれば残りの道のりは私が魔法で一気に移動させることができる。

振り向くと、テーブルには先ほど離れたこのパックのアルファとベ...