第305話

エラ

私は絵を描く勇気がなかった。正直、何ヶ月も描いていない。戦争が終わった後でさえ、クレセント・フォールズの自分のアトリエに閉じこもり、完成していない絵をいくつも含め、すべての作品をただ眺めていた。筆を取ることができずに。

でも今週、何かが変わった。ウェストフォールとのトレーニングにすべてを注ぎ込んだ。彼は私の力を研ぎ澄まし、指先をひと振りするだけで一本のろうそくに火をつけられるまでになった。ばかげて聞こえるかもしれないけど、一週間前に初めて試したときは、部屋全体に火がついて、二人とも危うく死ぬところだった。信じられないほどの進歩だ。身体トレーニングも含めて、また自分自身を取り戻しつつ...