第262話

「マディ!」その声が再び、最初よりも大きく響く。私は立ち上がり、使われていなかった足がうずく。洞窟の火が幻の風に消えていく。

突然の寒さに身を震わせ、洞窟の壁に沿って入口へと手探りで進む。ほとんど真っ暗だ。こんなに暗く空虚な場所に来たことはない。外の世界を照らす月明かりもなく、洞窟の入口さえ見えない。

一瞬、自分の服に手をやる。これは私のものではない、薄くて粗い何かを着ている。男性のシャツだとわかる。膝をわずかに覆う程度だ。足が寒さで刺すように痛む—そして誰かが私の服を脱がせ、着せ替えたという事実に。

洞窟の入口まで辿り着き、立ち止まる。裸足の足指が冷たい石の上でくるりと丸まる。インクの...