第250話

「それ以上動いたら縫い目が弾け飛ぶぞ」とカシアンが鋭い口調で言いながら、私の黒いシャツの上に革の防具—ベストと前腕ガード—を留めていく。私の胸の上には、アルファ・キングとしての地位だけでなく、最高位の戦士であることを示すピンが輝いている。この出で立ちは、敵と直接対峙する時に身につけるものだ。頭には王冠も、毛皮で裏打ちされた天鵞絨のマントも、指には指輪もない。

ただ戦いの準備が整った私だけがいる。

「お母様は激怒するぞ—」

「母は私の服装を承知している」と私は荒々しく言葉を遮り、近くの椅子から上着を取り上げながら、目の前の全身鏡に映る自分の姿をほとんど見ることもない。今日着る唯一の結婚式らしい衣...