第230話

マディ

廊下で騒ぎがあり、応接間のドアの外から聞こえてくる。私は床に座って火を見つめていたが、どれくらいの時間が経ったのかわからない。ドアノブがカチッと鳴る音で注意が引かれ、振り向いた。ハンナが、優しく微笑む顔から巻き毛のブロンドの髪を後ろで結び、ドアから入ってきた。

彼女は深呼吸し、エプロンに手を拭いた。「上手く話せないけど」と彼女は私に言い、温かく人を引き寄せる笑顔で手を差し伸べた。私はその手を取り、彼女が私を立ち上がらせるのを許した。他に何ができるというのだろう、逃げるとでも?王国中の衛兵が館内や敷地内にいるような状況で、どうやって逃げるというのだろう?

ハンナは私を城内へ案内し...