第203話

イスラ

マドックスは当然のことながら、私にイライジャを残していった。彼がいない間、代わりに統治するのはベータとしての責任だ。イライジャのことは好きだし、家での彼の静かな存在にも感謝しているけれど、やっぱりマドックスが恋しい。

彼が出発してからもう三週間近くになる。電話で何度か話したけれど、ほとんどの時間は圏外で、何日も連絡が取れないこともあった。

この間、イライジャも極秘任務で呼び出され、怒り心頭で戻ってきた。怪我もしていて、擦り傷や打撲があり、何日も機嫌が悪かった。

トリニティと私は彼のことを秘密裏に詮索することに同意し、トリニティが汚れ仕事をして、私はトリニティがイライジャの珍...