第167話

マドックス

夕方遅くに港に到着する。数日間海上にいた後、城に帰りたいと思っている。アイラの安全を確かめなければならない。ミスティカが船上にいる間ずっと彼女を見守ってくれていたとはいえ、もう王室の治療師を信用できるかどうかわからない。最近、彼女は危険な決断をいくつか下した。アイラを城に連れ戻し、彼女を診察できる別の誰かを見つける時が来たようだ。私のスタッフには多くの治療師がいる。その中の誰かは信頼できるはずだ。

船から降りた瞬間、アイラの腕が私の腕に絡まっているとき、私の司令官の一人が近づいてくるのが見えた。「ヴェンバー司令官」と私は言った。彼がなぜそんなに真剣な表情をしているのか不思議に思...