第149話

イスラ

マドックスから本を隠すのは簡単ではないけれど、なんとかやっている。彼は私を攻撃した女の子たちを打ちのめして地下牢に投げ込んで以来、アルファたちとの厄介事に夢中で、私に構う時間はあまりない。でも彼が現れるときは、予告なしにいきなり現れる。だから本を読むタイミングには細心の注意を払わなければならない。ポピーに見張りをしてもらいながら本を開くようにしているけど、彼女はいつも協力的というわけではない。

「バカバカしいと思うわ」と彼女は言い続ける。「もう行かないって決めたのに、どうしてまだ読んでるの？」

「わからないの」これは嘘じゃない。本当になぜ見ているのかわからない。息子が生まれる...