第327話

マット

私の視界は脈打ち、ちらつき、痛みのストロボが現実の輪郭をぼやかした。トニーは私に雨あられと殴りかかり、爪で切りつけてきた。一撃ごとに私の決意と自制心が削られ、これを早く終わらせたいという生々しい焦りだけが残った。鎧のおかげでほとんどのダメージは防げたが、それでも。

彼はいつも私たち二人の中で強い方だった。単に彼が年上だからだと思っていたが、これは違った。彼が確実に私の頭を噛み千切ると思った瞬間、黄金の光が空中を弧を描き、槍が私の肩をかすめてトニーの胸に直撃した。振り返ると、ジネヴラが空中に浮かんでいた。彼女の黄金のドレスが輝き、背中から光る翼を広げて私を通り過ぎた。

一体全体何なん...