第86話

バジルは唾を飲み込み、思い切って尋ねた。彼が暗示していることは途方もないことだったが、彼が予想していることなのかどうか確かめる必要があった。

「私たちが?」

ヘンリーはうなずいた。「私たちだ」

「でも…庭師は?」

ドリアンは首を振った。「君は何も知らないんだ…」

バジルはひるみ、ヘンリーはドリアンを突き飛ばした。「ほんとうにドリアン?君は君の妻と同じくらい始末に負えないな」

「だから私たちはうまくいっているんだよ」

リアムはくすくす笑い、ヘンリーは長いため息をついた。ドリアンとアイリーンが月の女神によって結ばれ、祝福された相性のいいカップルであることには同意していたが、だからといってバジルの傷...