第66話

デリアとティナは式典の後にデリアの部屋に引き返していたが、デリアは尋問のために連れて行かれるまでにどれほどの時間があるのか確信が持てなかった。ティナは息を切らし、両手を握りしめている間に、デリアは一日中持ち歩いていた空の小瓶をどこに隠せるか考えていた。アドルフが式典で影響を受けていないように見えたので毒ではないかもしれないが、できることなら小瓶を持っているところを見つかるリスクは冒したくなかった。

イーデンの灰色の瞳が、アドルフと女祭司が階段を上がるのを追いかける影の中で光り、デリアは自分の部屋への階段にたどり着こうとして角を曲がった。

彼の表情は無表情だったが、その目は怒りに満ちてい...