第168話

バジルは翻朝、どれほどニミューの香りが彼の感覚を支配し、欲望と渇望で頭がくらくらするほどだったとしても、目の前の道に意識を集中しようとしていた。彼女は咲き誇る花々、新鮮な大地、そして少しだけ甘い焼きたてのパンの香りがした。それは気を散らす、心地よい、そして狂おしい香りだった。

彼の狼は彼女が近づくたびに満足と欲望のうなり声を上げたので、彼は頭をはっきりさせるために先に進んで乗ることにした。

「お前が嫌いだ」と彼の狼はふんと言い、うなった。「お前とお前の愚かなプライドと恐れと…」

「今はやめろ」とバジルは頑固に思った。「首都に戻ることに集中しろ、いいな?」

狼はふんと言った。「そして真実...