第133話

彼はウィッカン達が魔法の道具を明け渡すことを拒否してくれることを望んでいたとは口には出せなかったが、実際はそうだった。それがあれば、地下牢に行くときにタリエシンがイーデンを解放しようとする可能性を否定しやすくなっただろう。彼はローレルをチャセルと共に王座の間に残し、レイヴンや他の者たちとウィッカン達の予期せぬ到着について話し合わせた。

地下牢の奥深くへの道はもはや見慣れたものだった。

「これほど長い年月をよく耐えてきたものだな」

アドルフは振り向いた。タリエシンが立ち止まり、石の壁に手を置いていた。石の内部から弱い光が漏れ、大きな円を描く文字が浮かび上がり、アドルフは不安を覚えた。

「...