第377話

アリアンナは携帯の画面を見つめ、心に不安を抱えていた。お願いだから、私を失望させないで、ザンダー…

屋敷では、ザンダーが書斎を出て階段を降りていた。

キング家のおばあさまはテーブルに座り、花を生けていた時、ザンダーが歩み寄り、彼女の隣に腰を下ろした。

おばあさまは片眉を上げて彼を見た。

「何を考えているの?」

「大したことじゃありません」ザンダーは答え、口元に小さな意味ありげな笑みを浮かべた。

「アリアンナがあなたと少し時間を過ごすように言ったんです」

キングおばあさまは静かに笑い、目を優しく細めた。「あなたが誰かの指示に従う日が来るなんて思いもしなかったわ。でも妻の言うことを聞...