第348話

ブライアンは護衛たちに鋭く頷き、すぐに二人がアリアナの腕を掴み、残酷な力で彼女を引き上げた。

ブライアンの目に冷たく不吉な光が閃いた。「さようなら、キング夫人」

そう言って、彼は手にした注射器を持ち上げ、その鋭い針をアリアナの胸に直接向けた。しかし彼が動く前に、上から深く威厳のある声が響いた。滑らかでありながら権威に満ちた声だった。

「彼女に指一本でも触れたら、想像以上に後悔することになるぞ」

部屋は衝撃で凍りついた。ブライアン、彼の妻、そして護衛たちは突然の割り込みに驚き、声のする方向へ顔を向けた。

ブライアンの視線は本能的に上へ移り、二階の手すりのそばに立つ背の高い堂々とした人物...