第91話

ネイサン

ポールは10分以上も話し続けているが、私は一言も集中できていない。ケイトは唇の間でペンを弄び、それが自然な仕草であるかのように装っているが、一瞬視線が合った時に本当の意図が見え透いていた。

テーブルの上の水を手に取る。この忌々しい会議はもう2時間近く続いているが、私はあの靴下のことや、彼女のドレスを脱がせて下に何を着ているのか確認することから頭を離せずにいる。

「休憩が必要だ」思わず言葉が口から飛び出し、頭と口の間の接続を制御できていないことに気づく。くそっ。状況はますます悪化している。ポールが眉をひそめてから頷くのが見える。

「わかった」

「コリンズ、上で君の助けが必要だ」...