第55話

ネイサンはベッドに私を寝かせ、上から覆いかぶさってくる。彼は何も特別なことを提案しているわけではない。ただ他の人と関係を持たないという条件で、セックスを続けようというだけ。ケントのように彼は私に彼女になってほしいと頼んでいるわけではない。ケントのことを話した後、彼がそう言ってくれることを期待していたのかもしれない。なんて情けない。これは単なるセックスだ。彼は私に恋しているわけじゃない。だから彼から離れるべき。もう自分に嘘はつけない。私は彼に何かを感じ始めている、セックス以上の何かを。これは間違っている、いや、もっと悪いことに、不可能なことだ。

「離して、ライアン」私は彼を押しのけようとする。...