第120話

私たちは長い間、一言も発せず抱き合ったまま過ごした。多分お酒のせいで感傷的になりすぎていたのかもしれないけど、彼の言葉はとても誠実に聞こえたし、もし私がノーと言ったら彼が消えてしまうと聞いて恐ろしくなった。

「批判なんて全部無視するわ」私は彼の目を見つめて微笑みながら言った。

「君はいつもそうだよね?」

彼は私がいつも混乱していると言うのは正しかった。でも犯人は彼自身で、いつも私を迷子にさせるのだ。

私は立ち上がり、ソファに座っている彼の上に跨った。

「今これを議論したいの?」私は彼の首に腕を巻き付け、下半身に熱が溜まるのを感じた。

「君は議論したくないのか?」彼は眉をひそめ、私の腰の両...