第100話

ちくしょう。ちくしょう。彼の建物から数メートル手前で足を止める。まだ5分ある。足は震え、心臓は激しく鼓動し、口と鼻から強制的に空気が出入りしている。膝に手を当てて、ゆっくりと息を吸う。彼に私が死にそうだと思わせるわけにはいかない。でも実際そうなんだ。くそっ。本当に何年も運動していないような気分だ。ジムに行くのをやめてからたった数ヶ月しか経っていないのに。

到着したことを知らせた後、普段ネイサンと一緒にいるときは使わないエレベーターに乗る。彼はメッセージを送ってきて、建物内のジムにいることを知らせてくれた。変だな。彼のアパートにジムがあったと思ったのに。

ほんの数秒後、ドアが開き、汗だくのラ...