第35話

ロマニー

カウントダウンが終わってアレックスの叫び声を聞いた時、彼が爆発に巻き込まれて怪我するんじゃないかと心配になった。だから私はデスクの下から飛び出し、ドアに向かって走り、それを開けてこの狂気を止めようとした。手はボルトに掛け、目は閉じていた。鍵を回そうとした瞬間、彼の声が再び聞こえた。彼の声に含まれる優越感と確信に、私はまるで馬鹿みたいに笑みを浮かべていた。

だから彼は「何があっても開けるな」と言ったんだ。彼は彼らが知らないことを知っていた。法律の抜け道を知っていたのだ。その事実だけで、彼は私の目にはさらに魅力的に映った。驚くことでもないだろう。彼は犯罪者なのだから。令状の可否...