第69話

ルーカスは壁の陰に隠れた時に武器を取り出した。彼らが視界から外れると狙撃手の射撃が止んだが、彼を出迎えた二人の狼人間は一寸も動かなかった。

二人とも無傷で、降伏の意を示す手を上げたまま、その表情からは何も読み取れなかった。

ルーカスは座っている狼人間に銃を向け、負傷した彼のボディーガードも片手で、その後ろに立つ狼人間に銃を向けた。

「お前たちの頭を吹き飛ばさない理由を言ってみろ」彼は平静な声で言った。身体的な危険に晒されていながらも、まったく心配しているようには聞こえなかった。

車内のボディーガードたちは銃声を聞いたはずで、隠れている狙撃手に対処してくれると信頼していた。

座っている...