第210話

〜 ゾーイの視点 〜

すべてがあまりにも速く進んでいた。一瞬前までゾーイはアッシャーを見上げていたのに、次の瞬間には彼の唇が彼女の唇に重なっていた!彼は強い力でキスをし、彼女の背中は壁に叩きつけられた。

ゾーイはどう反応すればいいのか分からなかった。彼女の目は衝撃で見開かれたが、彼の目は閉じられていた。彼の柔らかい唇は炎のように動き、彼女に誘惑に屈するよう促していた。

アッシャーの味がまた私の上に!ああ、なんてこれを恋しく思っていたんだろう!でもこれは一体何なの?!今すぐやめないと、ゾーイ、これは間違ってる!でも、いや、止めたくない!もう!

ゾーイの頭と心は、止めるべきか止めないべきか...