第207話

〜アッシャー視点〜

「今夜ここに泊まってもいい?」

アッシャーは一瞬固まった。これが現実なのか、それとも自分の想像なのか判断しようとしていた。その間、ゾーイはドアの前に立ち、彼の返事を待っていた。

「いいよ」彼はようやく言った。

ゾーイはドアをしっかり閉め、ベッドの方へ歩いていった。アッシャーは携帯をしまい、横にずれてゾーイのためのスペースを作った。彼女がベッドの端に座るだけかと思ったが、違った。彼女はベッドの真ん中へ、彼のすぐ隣に座った。

「ベッドのせいなのか分からないけど、寝られないの」彼女は胸の前で腕を組んで息を吐いた。

「はは」アッシャーは笑った。「俺もだよ」

「何してた...