第63話

エルミスは背筋を伸ばして威圧的に立ちはだかり、普段の穏やかな態度が激しい怒りに取って代わっていた。対面には反乱軍のリーダー、アリスが立ち、反抗的な様子を見せながらも、エルミスの鋭い視線の下で少し不安そうに見えた。

「アリス、ヘリオスを殺そうとするなんて、どんな狂気に取り憑かれたんだ?」エルミスの声は大広間に響き渡り、一言一言に失望と何かそれ以上のものが滲んでいた。

アリスは落ち着かない様子でエルミスの目を避け、「より効果的だと思ったんだ」と、自分の行動を弁解しようとつぶやいた。

「効果的だって?」エルミスは声を荒げた。「お前は彼のパートナーを脅すはずだったのであって、命を奪おうとするなん...