第36話

翌朝、私は何を期待すべきか本当にわからなかった。彼が私をきつく抱きしめてくれるとか、愛情のこもった目で微笑みかけてくれるとか、そんな希望を持っていたのかもしれない。

でも、実際に迎えたのはそんな光景ではなかった。目を覚ますと部屋が少し変に見え、自分がどんな角度で横たわっているのか理解するのに少し時間がかかった。体を起こして彼の方を見た。

彼はいなくなっていた。

昨夜の情熱的な時間の後、私たち二人を包んでいたシーツは、もう彼の周りになかった。喉に痛みを感じ、それを飲み込んだ。深呼吸した。彼は私が起きるのを待っているのかもしれない。

頭の片隅で、それは単なる wishful thinking だと...