第237話

ため息をついた。ぎこちない瞬間はあったけれど、家族と、というよりむしろ双子と過ごした時間は楽しかった。実際、ここに来る前に感じていたストレスや心の痛みから解放されるいい気晴らしだった。

私はだらだらと歩き回り、どこへ行けばいいのかも分からなかったので、プライドと尻尾を足の間に挟んで、エリックと私が共有していた部屋に這うように戻った。

シャワーを浴びて、身についていたどんな匂いも洗い流してから、私のバッグに向かった。持ってきた消臭スプレーを見つめた。

「これを使うのは二度目だ」と、少し悲しげにそれを見つめながら思った。

肩をすくめて、自分の自然な香りを消すためにスプレーをかけてから、バラ...