第211話

人々がニヤリと笑う時は決して良い兆候ではなかった。確かに、間違っていたのは私の方だが…「カドリー王子」看守は彼の姓をそう呼んだのだろう、多くの人がそう呼ばれていたから。「何か問題でも?」

私の脳が自分のミスに気づくまでに時間がかかりすぎた。

「王…王子?」私は言った、体の力が抜けていくのを感じながら。「本当に私は毎回、何もかもめちゃくちゃにする方法を知っているんだな」と思いながら頭を下げた。

「何でもありませんよ、ただ話していただけです」彼は鼻から流れる血を拭いながら言った。すでに傷は治りかけていたけれど。

看守は彼から私へと視線を移し、何か言いたげだったが思いとどまったようだ。「わか...