第19話

彼はまだ動かずに私を見つめていた。

「なぜ私が中に入るのを望まないの?」私が彼に話しかけると、彼が歯を食いしばったり緩めたりするのが見えた。

彼は何も言わずに中に入った。私は傷ついたが、深く考えずに彼と一緒に中に入った。私も彼女を心配していたし、彼には私からそれを奪う権利はなかった。一歩前に踏み出すと、彼は私が想像もできないほどの力で私を押し戻した。

「言っただろう、彼女に。近づくな!」彼は唸るように言い、何かを必死に抑えているように見えた。私は一度まばたきをして、彼が今したことを信じられなかった。

「な...ど...」私はまばたきをし、言葉を作ることができなかった。

「お前には彼女から遠く離...