第169話

彼らは一緒に入っていき、警備兵たちは誰も逃げ出さないように周囲を囲んでいた。

ルシアは何度もまばたきをして、視界をはっきりさせようとした。「お願い、今はダメ」と彼女は壁を支えにしながら何度もつぶやいた。

「大丈夫か?」ヘリオスは声の中の恐れを隠せずに尋ねた。

「最高よ」彼女は意地を張って返した。彼が自分を馬鹿にしているか、いらだちから話しかけてきたと思ったのだ。

彼らはさらに奥へと進んだ。その場所は放棄されたように見えた。

「足元に気をつけろ、そこには—」

「やめてよヘリオス、自分のことは自分で—」

ルシアは息を飲んだ。自分の体から突き出ている血まみれの槍を見下ろした。彼女の視界が霞んだ。「へ...