第15話

一瞬のうち、アジャックスは私から離れた。エリックが彼の耳に何かを囁いているのが見えたが、何を言っているのか聞き取れなかった。私はあまりにも緊張していて考えることができなかった。「動くな」エリックの声が背筋に冷たい戦慄を走らせた。決して心地よい方向ではなく。「動けば追いかけられるだけだ」

私は完全に凍りついた。彼が本当に私を追いかけて捕まえたらどうなるか、考えたくもなかった。

アジャックスはエリックの腕から逃れようとした。「アジャックス、ケイデンに制御権を返せ」彼は唸り声を上げながらアジャックスを押さえつけた。彼がここにいてよかった。私はあと十秒でお漏らしするところだった。

「いや、俺のメ...